子育て支援は「教える」だけではない|安心して話せる場が支援になる理由

子育てをしている中で
気がかりなことってたくさんあるけど
「これ、わざわざ相談するほどのことかな?」
と思うことってありませんか?
子どもが最近元気がない。
前よりイライラすることが増えた。
子どもに言い過ぎてしまって後で落ち込む。
夫婦で子育ての考え方が合わない。
このままでいいのかなと
なんとなく気になる。。
でも
ものすごく困っているわけでもない。。
毎日の生活もできている。
だから
「もっと大変な人もいるし」
「これくらいはみんなあるよね」
自分の中にしまってしまう。
でも。
「ちょっと誰かに聴いてほしいな」
と思うことはまぁまぁある。
今日は、そんな
「相談するほどではないけれど、少し話したい」
というところにもつながる
子育て支援について書いてみようと思います。
子育て支援は「正しい子育てを教えること」だけではない
子育てに悩んだとき
「こんな時は、こう声をかけましょう」
「子どもにはこう関わりましょう!」
といった情報を
探した経験がある方も多いのではないでしょうか。
もちろん
知識・情報を得ることは大切です。
私自身も講座の中で
子どもの発達・愛着(アタッチメント)
関わり方についてもお伝えしています。
でも
知識や正解を教えてもらうだけでは
気持ちが軽くならなかったりします。
「それは分かっているけれどできないんです」
ということもありますよね。
私もそんなんばっかりでした(笑)
さて、そんな中で
私が目にして注目した一つが
こども家庭庁の「親子関係形成支援事業」です。
こども家庭庁「親子関係形成支援事業」とは?
「親子関係形成支援事業」は
子どもとの関わり方や
子育てに悩み・不安を抱える
保護者やその子どもを対象にした支援事業です。
2026年度(令和8年度)も実施されており
実施要綱や予算資料が公表されています。
ここで私が注目したのは
「親に正しい子育てを教える」だけの
事業ではないこと。
講義だけではなく
・グループワーク
・ロールプレイ
・相談や助言
・同じような悩みや不安を持つ保護者同士で話す
・悩みや情報を共有する
といったことも
事業の中に位置づけられています。
つまり
「知る」だけではなく
「話す」「聴く」「共有する」ことも
支援の一部になっている
ということです。
「相談するほどではない」と思っている人はとても多い
「困っています!」
「助けてください!」
とはっきり言える状態になる前にも
人にはいろいろな心の揺れがあります。
「とりあえず何とか過ごせているし……」
「もっと大変な人もいるし……」
「こんなことで相談するのは大げさかな」
「何について相談したいの?と聞かれても、うまく説明できない」
そんな状態です。
本人としては、
「助けてほしい」まではいかない。
でも
「誰かにちょっと聴いてほしい」
という気持ちはある。
この
「大丈夫」と「困っています」の間。
ここって
とても広い領域があるのではないでしょうか。
解決してほしいわけではなく聴いてほしい
「相談」というと
悩みを伝えて
専門家に解決方法を教えてもらう。
そんなイメージを持つ方も
いるかもしれません。
でも
人が誰かに話したくなるときって
必ずしも「答え」が欲しいわけではありません。
「それは大変だったね」
「そう感じていたんだね」
ただ聴いてもらいたい。
自分でも
よく分からないモヤモヤを
言葉にしてスッキリしたい。
そんなことだってあります。
そして不思議なことに
誰かに話しているうちに
自分でも気づいていなかった気持ちが
見えてくることがあります。
「子どもの問題」だと思っていたら、自分の気持ちに気づくこともある
「最近、子どもが言うことを聞かなくて……」
という話から始まったとします。
最初は
「どうしたら子どもが言うことを聞いてくれるのか」
が悩みだと思っていた。
でも
ゆっくり話しているうちに
「私、最近ずっと疲れていたんだ」
「夫にもう少し協力してほしかったんだ」
「ちゃんとした母親でいなくちゃ!と
頑張りすぎていたのかもしれない」
そんな気持ちに気づくことがあります。
誰かから
あなたの問題はこれですよ!
と教えられたのではありません。
安心して話せたから
自分自身で気づくことができた。
ここに「聴くこと」の
大きな意味・役割があると思っています。
「私だけじゃなかった」と思えることも支援になる
そして、もう一つ。
同じような立場の人と
話すことにも意味があります。
子育てをしていると
SNSには楽しそうな親子が
たくさん出てきます。
周りのお母さんたちも
ちゃんとやっているように見える。
「こんなことでイライラしているのは私だけ?」
「私の育て方が悪いのかな」
と思って自信を無くしてしまうことがあります。
でも、誰かの話を聞いて
「うちもあります!」
「私も同じことで悩んでいました」
と知る。
それだけで
私だけじゃなかった
と思えることがあります。
すぐに問題が解決しなくても
孤立感が少し和らぐ。
これも
人を支える大切な力なのではないでしょうか。
支援者に必要なのは「答えを教える力」だけではない
これは
子育て支援だけの話ではありません。
介護をしている人。
誰かを支える仕事をしている人。
仕事やこれからの生き方に迷っている人。
いろいろな場面に共通すると思っています。
誰かが困っていると
私たちはつい
「こうしたら?」
「それなら○○してみたら?」
と解決してあげたくなります。
もちろん!
具体的な情報が必要なときもあります。
でも
すぐに答えを出すことばかりが
支援ではありません。
安心して話せる。
否定されずに聴いてもらえる。
話しながら、自分自身で気づいていける。
そんな安心・信頼の「場」をつくることも
大切な支援なのだと思います。
タッチケアでも大切にしている「安心」という土台
これは
私がタッチケアで
ずっと大切にしていることにもつながっています。
タッチケアというと
どこを、どう触れるのか?
という技術をイメージされるかもしれません。
触れ方も大切なので
もちろんお伝えします。
でも
それ以前に大切なのが
その人が安心できること。
安心できるから
身体の力が抜ける。
安心できるから
「実は……」
と話せることがある。
安心できるから
自分の気持ちにも気づいていける。
自分を受け止めてあげられる。
だから私は
まず自分を癒し、満たし、大切にすること
そして
相手が安心できる関係をつくること
をタッチケアの土台としてお伝えしています。
「ちょっと話してもいい?」と言える関係を
支援というと
何か大きな問題を抱えた人を助けること。
そんなイメージがあるかもしれません。
でも私は
問題が大きくなるもっと前にも
私たちにできることがあると思っています。
「相談するほどじゃないんだけど……」
「ちょっと聞いてもらっていい?」
そんな言葉を安心して出せる人がいること。
そして誰かからそう言われたとき
すぐに答えを出そうとするのではなく
「うん、どうしたの?」
と耳を傾けられること。
安心して話せる場そのものが
支援になる。
子育てでも
介護でも
お仕事でも
そして日々の人間関係でも。
小さなつながりを
持てる人が増えていくことも
誰もが安心して暮らしていける社会に
つながっていくのではないでしょうか。


「傾聴」「子供の関わり方・発達」「子育て支援」の学びは
こちらの講座でお伝えしています。

