傾聴を学ぶほど迷いが深くなった話|寄り添うことと言葉にすることの間で

先週から
タッチケアアドバイザー養成講座も
2か月を過ぎ後半戦に突入しました。
ノンバーバル(Non-Verbal)
言葉以外のコミュニケーション
はタッチケアの領域ですね。
そして耳で触れる、声で触れるアプローチには
会話も大事ですから
バーバル(Verbal)
言葉によるコミュニケーション
『聞く』『聴く』『訊く』の違いから
傾聴、関わり方などを学んでいき
複数のコミュニケーションアプローチを
取り入れていけるようにします。
マルチモーダルケア。
認知症のケア技法
ユマニチュードも対面で学んできましたが
複数のコミュニケーション要素
(見る・話す・触れるなど)を
同時に組み合わせるケア手法の
核となるアプローチですね。
「あなたは大切な存在です」というメッセージを
矛盾なく相手に伝えることを目的としています。
さて
先日、受講生さんからこんなお話を聞きました。
「先生、最近少し混乱しているんです」
詳しくお話を聞いてみると
今まで学んできたことと
新しく学んでいること。
で起こった混乱のお話でした。
私はその言葉を聞きながら、
「それ、今の私だ!」
なんて思いました。
私自身もぶっちゃけ(笑)
同じような混乱の中にいるからです。
傾聴は私の仕事で重要なこと
私はタッチケアを通して
多くの方と関わってきました。
子育てに悩むお母さん。
介護が始まった方。
大切な方をお看取りされた方。
家族との関係に悩む方。
自分らしさを見失いそうになっている方。
役割負担の変化から人生の転機を迎えている方。
そうした方々のお話を聴きながら
寄り添う仕事をしています。
私にとって「聴くこと」は特別なことです。
だからこそ
最近の自分の中に起きている戸惑いに
ちょっと正直驚いているところなんです・・
タッチケアで大切にしてきた「言葉にならないもの」
タッチケアというと?
触れる技術。手技。癒し。
そんなイメージを持たれるかもしれません。
もちろんそれも大切な要素ですね。
ですが
私が長年大切にしてきたのは
それだけではありません。
その人の表情。お顔の色。
呼吸の深さ。
身体の緊張。
声のトーン。
目線。沈黙。
その場の空気感。
言葉にならない感情。
そういったものを
肌で感じながら関わることを
大切にしてきました。
人は必ずしも
言葉で気持ちを
表現できるわけではありません。
自分でも
何を感じているかわからないことがあります。
うまく説明できないことだってあります。
そんな時
言葉だけを追いかけてしまうと
本当に大切なものを見落としてしまう気がするのです。
だから私は
まず安心できる場、関係をつくること。
その人がその人のままでいていいと
思える時間をつくること。
そこを大切に関わってきました。
グリーフケアで感じた「ただそばにいる」という関わり
最近は特にグリーフケア。
大切な人との別れや喪失を経験された方
喪失とは人だけでなく
大切な機能、役割失う体験もそうですが
そんな方のお話を伺う
機会も増えてきました。
そんな中でこんな時間はよくあります。
特に何か投げかける言葉がなくても
そばにあるだけで
ご自身の体験を話してくださる。
話しながら涙があふれてきて
言葉が止まりました。
部屋の中では
静かな静かな時間が流れます。
私はそんな時
何か気の利いた言葉を
探すわけではありません。
無理な励ましをするでもなく
前向きになってもらおうとも思いませんでした。
ただ一緒にいました。
静かに。
その時間を共有していました。
そして
「大変だったのですね」
「無理をされてたのですね」
そんな一言の共感メッセージ。
それが回復の兆しだった!
あの時からだった!
1か月、2か月後にお会いした時とは
全然違った表情に出会えたり
「あの時、受け止めてもらえたから」
と、ありがたいお言葉を頂いたりします。
振り返っても、
あの時間に必要だったのは
言葉だけではなかったように思います。
悲しみを整理することでもなく
意味づけをすることでもなく
解決することでもなく
ただその悲しみがそこに存在していいこと。
涙を流していいこと。
その時間を誰かと共有できること。
それが大切だったように感じています。
傾聴とは「話を引き出すこと」なのだろうか
ところが最近
人との関わりについて新しい視点を学ぶ中で
私は少し戸惑ってしまったのですね・・
そこでは
相手の経験を振り返ること。
価値観を整理すること。
言葉にすること。
自分自身を理解すること。
そうしたことが大切にされています。
私自身もその考え方に
もちろん共感しています。
人は言葉にすることで
気づくことがあります。
言葉にすることで
整理されることがあります。
言葉にすることで
自分を理解できることがあります。
実際に、言葉になった瞬間に
表情が変わる場面もたくさん見てきました。
むしろタッチケア養成講座では
自分自身の言語化は
これ、めちゃくちゃやりますもの(笑)
だからその大切さもよくわかります。
学ぶほど迷いが深くなった理由
正直に言いますと
最近の私は
お話を聴きながら迷うことがあります。
(混乱は学び場で起こってます(爆))
このまま聴いていていいのかな。
もう少し深めた方がいいのかな。
今この人に必要なのは言葉なのかな。
それとも安心なのかな。
もっと整理した方がいいのかな。
それとも今は整理しなくてもいいのかな。
そんなことをあれやこれや考え始めると
相手よりも自分の頭の中が中心になりますよね・・(泣)
ちゃんと聴けているかな。
方向性は合っているかな。
もっと別の関わり方があるのかな。
そんなことばかり考えてしまえば
自然になんて聴けなくなる自分がいます。
あれ?
私、これまでどうしてたっけ?
なんか違う自分なのは確か(笑)
以前ならただ寄り添えていたはずなのに。
以前なら安心して待てていたはずなのに。
そんな自分に戸惑ったりしちゃいます。
でも本当は目指しているものは同じ
ただ混乱しているのは
どちらが正しいかみたいな
そういうことは全く思っていません。
むしろ似ているからこそ
迷いになってるのだと感じるんですね。
寄り添うこと。
理解しようとすること。
その人を尊重すること。
その人の中にある力を信じること。
その人らしさを大切にすること。
根っこは同じなんですよね。
違うのは入り口なのかもしれません。
言葉にならないものから入るのか。
言葉から入るのか。
安心から入るのか。
気づきから入るのか。
でも目指している場所は
同じなのだと思います。
混乱するのは成長している証拠かもしれない
学びが深くなるほど
傾聴の関わり方の難しさを
毎回感じます。
人の心なんて
そんなに単純ではありません。
言葉だけでもわからない。
非言語だけでもわからない。
だからこそ奥深い。
だからこそ面白い。
そしてだからこそ難しい。
混乱することが
悪いことではないって
意外と冷静な自分もいたりします(笑)
今まで見えていなかった視点が
見えるようになったからこそ迷う。
わかったつもりになんて
なれなくなるからこそ悩む。
後退じゃなく
まだまだ成長途中で
出会う人が気づかせてくださいます。
だから私はこれからも学び続けたい
自信をなくすこともあるし
混乱することだってあるし。
でもやっぱり私は
人と関わることが好きです。
人の話を聴くことが好きです。
その人が少し安心した表情になる瞬間が好きです。
自分の気持ちにも
気づく瞬間が好きです。
だからこれからもいろいろ
学び続けたいと思っています。
寄り添うこと。
理解しようと関わること。
言葉にすること。
言葉にならないものだって大切にすること。
その両方を磨きながら
至らなさも認めながら
これからも目の前の人と向き合っていきたいです。
今感じている迷いや混乱も
きっといつか意味を持つはず。
持てなくてもいいしね。
人生は後から線になる。
そんなことを思いながら
今日も学びの途中です。
講座生様との
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タッチケアアドバイザー養成講座(次回は2026年11月~)

